確実に評定値を1上げる定期テスト対策〜試験3週間前編〜
目次
質問:試験前でも子供が勉強せずに困っています
回答:効果的なテスト勉強に必要な2つのこと
試験3週間前には分析と計画づくりをしよう!
すべての試験はメッセージから作られている
『確実に評定値を1上げる定期テスト対策〜試験4週間前編〜』でご紹介した試験勉強をするための準備は、すでに実行済みでしょうか?
試験勉強ができる環境を整えたら、次は過去問題の分析をしましょう。
過去問の分析では、試験問題に込められた学校からのメッセージを読み取ります。
学校の試験に限らず、入学試験や資格試験には出題者の想いが込められています。
例えば、入学試験であれば受験した学生が、その学校に入学するにふさわしい生徒かどうかを判断するために、学校からのメッセージが試験問題に反映されているのです。
小学校のテストで100点が取りやすい理由は、「生徒に早い段階で勉強嫌いになってほしくない」というメッセージが込められているのかもしれません。
定期試験のコツ①先生の想いを知る
学校の定期試験は、科目担当の先生が作成しています。そのためまずは、テストを作成する先生のメッセージを理解するために、これまでのテストの出題傾向を分析しましょう。
ここでは、英語の定期試験を例に挙げてみます。
同じ教科書の範囲であっても、テストを作る先生によって問題の内容は異なります。
実際にStudy Roomの生徒の定期試験から、先生によって異なる出題傾向を見つけました。
文法問題中心のA中学校
A中学校は、文法問題が中心で選択肢から答えを選ぶ選択問題の比率が高いテストでした。
さらに時間内で十分に解けそうな問題量であったため、テストを作成した先生は生徒の基本的な学力を確認したかったのではないでしょうか。
ライティング問題中心のB中学校
B中学校は、生徒に英文を書かせるライティングの問題比率が高いテストでした。
そのため生徒は、教科書の例文を覚えて書けなければなりません。ライティングができるということは、単語を知っているだけでなく文法の理解も必要です。そのためテストを作成した先生は、生徒が英語を本質的に理解できているか確認したかったのではないでしょうか。
オリジナル問題中心のC中学校
C中学校は、教科書で扱っていない長文読解とリスニング問題がテストに出題されています。
このテストで高得点を取るには、初めて読む英文問題でも解けるだけの英語力が必要です。またリスニング対策として、英語を聞いて問題に答える練習もしなければなりません。このような問題を作るのは中高一貫校の先生がほとんどで、定期試験で外部模試の対策をさせたいという狙いがあるのではないでしょうか。
定期試験は先生のクセが出る
3つの中学校の例を見てきましたが、同じテスト範囲でもこれだけ出題傾向が異なります。つまりテストの問題には作成者である先生のクセがどうしても出てしまうのです。
これだけ問題傾向が違うため、テスト勉強を始める前にこれまでの定期テストを分析して、問題を作成する先生の想い(メッセージ)を知る必要があることに気づいてもらえたのではないでしょうか。
問題傾向と同じく採点の傾向も採点者である先生によって異なります。
例えば数学のテストで、「x=1」の「x」が抜けた場合1点減点になる学校がありました。このテストを受けた生徒は、残念ながらすべて「x」を書き忘れてしまったため、答えは合っていたのに10点近く落としてしまいました。
試験勉強を始める前に、これまでのテストを見返して担当する先生の問題傾向や採点基準を意識できれば、効率良いテスト勉強ができ、もったいないミスも防げるでしょう。
定期試験のコツ②勉強の優先順位を決める
これまでの定期テストを分析して出題傾向がわかれば、勉強する科目と内容の優先順位を決めましょう。
オススメは時間がかかる科目・分野から先に勉強を始めることです。
本題に入る前に少し話題は変わりますが、あなたは「大きい石」「小石」「砂」を瓶に入れるゲームの話を聞いたことがありますか?
大きい石・小石・砂を正しい順番で瓶に入れていけば、すべてが瓶のなかに収まりますが、順番を間違えば入りきらないというゲームです。
Aさんはまずは砂を瓶に入れて、次に小石、最後に大きい石を選びました。つまり小さいものから大きいものと順番に入れていったのです。しかし、残念ながらすべての石を瓶に入れられませんでした。
Bさんは、Aさんの順番とは真逆の順に、大きい石・小石・砂と大きなものから瓶に入れていきました。
小さい石は大きい石の隙間に、砂は大きい石と小さい石の隙間にうまく入っていきました。
このゲームはテスト勉強をしようとしているあなたに、なにを教えてくれるのでしょうか?
この結果から学べることは、大きなものは最初に入れておかないと、永遠に入れられなくなるということです。
定期テストの勉強にも、この結果が当てはまります。
まずは難しい問題に取り組む
まずは大きい石にあたる理解に時間がかかる問題(先生の解説を聞きながら解く問題)をしたほうがいいということです。もし理解に時間がかかる問題を後回しにすると、試験直前で時間がなくなってくると「難しい問題だから諦めよう」となってしまいます。
特に数学と英語は先生と一緒にやらないとわからない問題が多いです。つまり問題を一度解いただけでは、試験の結果に反映されにくいため、少なくとも同じ問題を2~3回繰り返す必要があります。
理科であれば計算が必要な「物理・化学分野」から始め、暗記が多い「地学・生物分野」は後回しにする作戦が効果的でしょう。
定期テストの時期に、ノートや問題集の提出をしなければならない学校は多いです。しかしノート作りは、あまり点数に結びつかない作業になる可能性があります。そのため、後回しにするかスキマ時間にこなすようにしましょう。他にも一人でできる勉強は、優先順位をつけた上で取り組むと良いでしょう。
優先順位を決めれば時間が生まれる
定期テスト前になると部活が休みになり、放課後にまとまった時間ができます。
この時間で部活と同じく熱心に勉強できればいいのですが、映画を観に行ったり、ゲームをしたり、友達とLINEし続けたりと勉強以外のことをやりすぎて、一夜漬けで定期テストに臨む経験をしたことがある人は少なくないでしょう。
テスト勉強を失敗する原因のひとつは、勉強の優先順位が決められておらず何から手を付けていいのかわからないことです。そのためテスト3週間前には、テスト問題の出題傾向の分析と、自分にとっての大きな石を決めましょう。
大きな石を決めて瓶のなかに入れ始めると、その後小さな石や砂を入れるのは簡単です。
ぜひ今回のテストで試してみてくださいね。