【部活で忙しい人向け】好成績を取るには授業時間をムダにしないこと
目次
質問:まとまった時間が取れない場合はどうすれば?
うちの娘は、試験1週間前でも部活があって、十分に勉強する時間が取れません。
「テスト対策」の記事を読んだのですが、正直なところあそこまでしっかり時間を取って勉強できるのは部活引退後でないと無理そうです……。うちのような場合どうしたらよろしいでしょうか?
回答:学校での時間の使い方を見直しましょう
「そんな場合は、定期試験対策講座でテスト直前にしっかりフォローをします‼︎」
と言いたいところですが、これは短期的な効果しかなく、次の試験前でも同じ状況になってしまい、根本的な解決にはなりません。
質問者さんのように、学校の授業と部活以外に勉強時間を作れない場合は、学校での時間の使い方を見直してみましょう。学校にいる間に、どのような時間を過ごしているのか考えてみると、意外な事実に気がつくかもしれません。
忙しいからこそ授業を無駄にしない
これまでも定期試験の受け方についてまとめましたが、質問者さんだけではなく、「そんなにきっちりスケジュール組めません‼︎」という方も多いと思います。正直言って、私の中学時代を振り返っても定期試験でそこまで綿密にスケジュールを組んだことはありません。笑
「試験前日でも部活があります。中学生だって忙しいんです。」
Study Roomにもこう言って嘆いている生徒がいます。しかし、話を詳しく聞いていると、学校生活に意外な落とし穴があることがわかってきたのです。
塾と学校では態度が違う?
部活が忙しくてテスト前に勉強する時間が取れない生徒には、学校の授業や休み時間をどのように過ごしているのか聞いています。
過去に指導していた生徒で印象的な子がいました。
原田「学校にいる9時から16時くらいまでの授業中は何しているの?」
生徒「いつも授業中は寝ているか、友達と話しているか、ぼーっとしてる。」
原田「学校の先生がわかりにくいの?」
生徒「分からない先生もいるけど、分かりやすい先生もいるよ‼︎」
原田「なんで授業を聞かないの?」
生徒「どうせ塾で勉強するし〜」
その言葉を聞いた時、私は意外に思いました。
なぜならこの生徒は、部活が終わる夕方から塾に来て、閉校時間までしっかり勉強していたからです。そのためこの生徒は、ほぼ毎日塾で4時間ほど勉強しています。
しかし、時間だけ見ると学校にいる時間のほうが、当然長いです。長い時間を過ごす学校では勉強せずに、その遅れを取り戻すために夜遅くまで塾に通っている生徒を見ると、私は矛盾を感じてしまいました。
この行動が生まれる原因のひとつは、「どうせ塾でやるから」と勉強を先送りにしてしまう考え方だと、私は思います。
生徒によって学校の授業をしっかり受けない理由はそれぞれですが、学校の時間以外に勉強時間を作れない生徒は、学校にいる時間を有効活用することが、テスト対策への近道になります。
学校の授業に集中するには?
部活で忙しい生徒にとって、学校にいる時間を有効活用することは大切です。
そのためには、日中に集中力を保つことが必要です。では、集中力を保つためには何ができるでしょうか?
それは、十分な睡眠時間を確保することです。
学校の授業に加えて、部活をこなして自宅に帰ってくる頃には、疲労感から集中力が長くは続きません。
その状態で勉強をしても、簡単な単語が覚えられなかったり、ケアレスミスをしてしまったりと、なかなか自分の思い通りには進みません。さらにその遅れを取り戻そうとして夜遅くまで勉強をしてしまうと、睡眠不足になるばかりか部活で溜まった疲れも取れず、翌日の授業中には眠気と戦うことになります。
それならばいっそのこと早めにベッドに入り、次の日に備える方が得策です。
十分な睡眠をとることで疲れも取れ、翌朝にはスッキリ目覚めることができます。さらに日中に眠たくなることもなく、集中力も続きます。いつもより早めに学校に行き、朝の誰もいない静かな教室で勉強することもおすすめです。
また、勉強と部活を両立できる充実した高校生活を送るには、より鮮明に高校生活を想像しながら志望校を決定することも大切になってきます。
- 始業時間は何時か?
- 部活の練習はどれくらいするのか?
- 通学するとしたら何時に起床する必要があるのか?
例えば京都成章高校の始業時間は「9時30分」と、一般的な高校の始業時間と比べてゆとりある時間設定となっています。始業時間が遅めの設定であれば、遠方の生徒が余裕を持って通学できるだけではなく、生徒が十分な睡眠時間を確保することにもつながります。
志望校を決定する際には偏差値や校舎設備などを考えることが多いでしょう。
しかし、これから高校受験を控える生徒のみなさんや親御さんには、どのような生活を送ることになるのかという点も視野にいれていただきたいです。テストの時だけではなく、普段の学校の授業にも集中できる志望校探しをおすすめします。
では学校の授業だけに集中することで高い教育水準を維持している海外の事例を見ていきましょう。
フィンランド教育を支えるシステム
北欧に位置する国、フィンランド。ムーミンやサンタクロースに会える国というイメージが強いですよね。そんなフィンランドは教育水準が高く、学校で質の高い教育を提供することに成功している国でもあります。
国における学力を比較する基準のひとつとなっている学習到達度調査(PISA)で、フィンランドは2000年に導入されて以来、安定して高い成績を収めています。
(参照:国立教育政策研究所)
注目すべきはフィンランドの教育システムです。
フィンランド国内では、教師は憧れの職業の1つです。そのため能力の高い指導者が集まります。
またクラスも20人前後と少人数制で生徒一人ひとりに対し、丁寧な指導ができます。
このような仕組みがあるため、塾や家庭教師などの制度がないにも関わらず、学校の勉強だけで好成績を収めることができているのです。
つまり、学校に行っている時間を有意義に過ごすことができれば、放課後は塾に行かず遊んでいても、良い成績をとることは可能なのです。もちろん日本にもそんな生徒はたくさんいるでしょう。
このような学校生活を送れるのであれば、塾に通う必要はないと個人的には思っています。(Study Roomの存在意義がなくなりますが……笑)
タイプ別に見る学校授業の捉え方
学校の授業時間でいかに内容を理解して、テストの点数につなげていくのか、授業のタイプ別に見ていきましょう。
先生の説明がわかりやすい授業
このような授業は、そのまま授業の説明をしっかり聞いて理解することを目指しましょう。
わからない部分は、授業後の教室や職員室で先生に質問すれば、さらにわかりやすく教えてくれるはずです。
先生の説明がわかりにくい授業
どれだけ集中して聞いても、先生の説明がわかりにくい授業があります。この場合は、生徒の理解が追いついていない可能性が高いです。
そのため、解説が多くてわかりやすい参考書を使って、理解を目指しましょう。
学校の問題集は、ものによって生徒の理解よりも、先生の説明のしやすさを優先して制作されていることがあります。そのため、必ずしも生徒にとってわかりやすい参考書ばかりではありません。
そんな時は、学校の先生の説明をフォローする意味で、わかりやすい参考書を確認して理解を深めましょう。
それでも授業内容を理解できないのであれば、まずは塾で予習をしてから学校の授業に臨めるようにカリキュラムを調整します。
塾の授業でわかりにくい部分を確認しながら勉強しておけば、多少わかりにくい学校の授業でも復習として理解しやすくなる可能性が高くなります。そうすれば、学校の授業時間を無駄にせずに済みます。
ノート提出が求められる授業
(引用元:Amazon.co.jp)
学校によっては、プリントをノートに貼る、単語を何十回も綺麗に書かせるといった指導をする先生もいます。
先生は「綺麗なノート作り」によって、生徒の理解が深まると考えているからです。ただしここで大切なのは、ノートを書くことは目的でなく手段だということです。
東大生の目的:勉強の成果を上げるため
東大生はノート作りを通して、自分の理解が深まるような情報整理を行っています。
東大発の知識集団、QuizKnockのノート本では「ノートを書くために勉強していたわけではない」「勉強の成果を上げるためにノートを利用していた」と書かれています。
彼らにとってノートとは、まとめること、美しく書くことが目的ではありません。
ノートを書くことで、自分の理解が深まるように情報整理を行うことが目的です。ノートはそのための手段に過ぎません。
東大生は「自分が理解しやすいノート」を書きます。そのため、問題につまずいた時にはそのノートが助けになるのです。
自分が理解できていない所を理解できるようにノートを作れば、成績はおのずと上がっていきますよね。
テストの点数に繋がりにくい生徒の目的:美しいノートを作る
「先生がノートを提出しろって言うから」とただ作業としてノート作りをする生徒は、ノートを作ることが目的になっています。
先生が「ノート作り」によって理解を深めて欲しいと願っていても、本人にその意識がなければ意味がありません。そのため、先生の言われた通りにノートをまとめている生徒でも、実際にノートに書いた単語や問題を解かせても正解できないことが多いのです。
ここまで読んできたらもうおわかりですよね?
ノート提出が求められる授業では、ノートに書く内容を覚えられるように、理解が深まるようにノート作りを行っていきましょう。そうすれば、ノートに書いたのにテストで答えられないということが減るはずです。
まとまった時間が取れないなら授業を工夫しよう!
学校の先生は少しでもわかりやすい授業をしようと、苦心しながら授業の準備をしています。それは、実際にStudy Roomで生徒に指導している私も同じ気持ちです。
しかし塾と違って学校では、一度に30〜40人ほどの生徒を教える必要があります。そのため、どうしてもすべての生徒に最適な授業を提供できるわけではありません。
さらに、学校の先生をしている知り合いに話を聞くと、授業以外の業務が多すぎることで十分に授業の準備時間が取れない現状があるようです。
このような学校の状況や、部活が忙しくて勉強時間が取れない現実をすぐに変えることはできません。
現実を受け止めて、工夫をすることで少しでも理解を深めて、テストで良い点数を取れるように時間を使っていきましょう。
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