働き方に関する取材を受けてわかった起業後も大切にしている仕事観について
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質問:就職先がなかなか決められません……。
回答:自分の価値観について考えてみよう
1日の3分の1がつまらないものだとしたら、人生もつまらないものになる可能性が高いです。そこで自分の「価値観」に合った働き方を模索しましょう。
仕事を選びには自分の価値観を大切にしていた
大学生の皆さんが高校生だった時、大学はどのような基準で選びましたか?
「大学名」「偏差値」「学費」「将来の仕事」「立地」「学べる学問」「資格合格率」など人によってさまざまでしょう。
大学を選んだ理由をすらすらと話すことができる人は就職活動もうまくいくと思います。
なぜなら、自分が人生において大事にしていること、つまり「価値観」がしっかりあるからです。
ちなみに価値観の意味を調べてみると、このように書いてありました。
「何が大事で何が大事でないかという判断、ものごとの優先順位づけ、ものごとの重み付けの体系のこと。価値観の違いとは、ある物事をどの程度大切にするかの違いです。 」
思い返せばわたしの場合、大学選びで1番大切にしたのは「立地」だったような気がします。田舎者が都会に憧れる、そんな安易な理由です。(福島県出身です。)正直、大学選びの理由として一番目に立地がくるのは、あまり良い選び方とは言えないと思います。笑
夢や目標がないなら価値観に目を向けよう
「価値観」は理屈じゃ説明できません。
住んでみてより好きになった、京都の綺麗な街並みや伝統ある建物、四季折々の景色。
京都に来るとなぜかワクワクし、テンションがあがる。「なんで?」と聞かれれば上記のようにいくつか理由を挙げることはできますが、言葉では説明できない何かがあるのは確かです。わたしは高校生の頃から、すでに「空間」にこだわりがあったのかもしれませんね。
進路相談をする際、自分自身の価値観をわかっている生徒は、大学を決めやすい傾向にあります。
しかし、「夢」や「目標」を明確に言える高校生はごくわずかです。よく夢や目標を決めてから大学を決めましょうと言われますが、決まっていない人がほとんどなので、これは現実的なアドバイスではない気がします。
夢や目標がなくても、自分自身の中にある「価値観」をもとに大学を決めることはできるはずです。
価値観を調べると、このようにも書いてありました。
「価値観は育ってきた環境や過去の状況がもとになっています。」
未来がわからない時は、過去から判断してみましょう。だから、「夢」や「目標」を明確に言えない生徒には、価値観を聞いています。そしてその価値観を満たす大学を紹介し、実際に合うかどうかをオープンキャンパスに参加してもらって、生徒自身の感覚で確かめてもらいます。
しかし、価値観がわからない生徒は難しいです。
とりあえずどこでもいいから入れる大学にしようかと、学力と通える範囲の大学を紹介して終わってしまいます。
あなたの価値観を満たしてくれる仕事とは?
では大学生の皆さんは、働く際にどんな基準を大切にしますか?
「給与」「やりがい」「休日数」「職種」「企業ブランド」「一緒に働く人」「名声」「地位」など、大学を選ぶ基準と同じく人それぞれの基準があるでしょう。
ちなみに、わたしの働く際に大切にしている基準は「やりがい」と「一緒に働く人」です。この基準は自身の価値観と同じです。独立してからは大切にしている2つの価値観を守れているからか、ニキビが消えました。笑
大企業に就職することで自分の価値観を満たすことができるならば、大企業に入るための方法を考えなければなりません。また、それが起業することで満たせるならばリスクを背負う覚悟をしなければなりません。
つまり大企業に入ること、起業することがゴールではないということです。
自分の仕事への価値観を明らかにして、その価値観が満たされる働き方にたどり着く手段を考えて実行していきましょう。
価値観を元に自分の道を選択する
自分自身がどんな価値観を持っているか自己分析できたら、次はその価値観を達成できる「道」を選択しましょう。つまり、自分自身で情報を取捨選択し、自分の価値観を大事にできる最善の道はどれなのか、探すのが就職活動だともいえるでしょう。
これだけ情報があふれていると取捨選択が大変です。私も独立する前の準備としてたくさんの本を読みました。「サラリーマンは5年で辞めなさい」というような独立推薦本や、「独立は危険、プロの会社員を目指しましょう」そんな正反対のメッセージ性のある本を読んでいました。
どれか道を選ぶということは、それ以外の何かを捨てること、そう私は思います。
例えば大企業に就職することと独立することを比較してみましょう。
いずれの道でも大なり小なりリスクはあります。独立してはっきりわかりましたが、事業規模が小さいうちは全ての業務(広報・経理・営業・サービス提供・人事)を自分自身でやらなければなりません。
自分の価値観を守れる「道」はどちらなのか?
仮に実現できたとしても実現するためのリスクが大きいのであれば選択しない方がいいかもしれません。
やってみないと適性はわからない
自分自身の価値観を知り、それを満たすことができる道を見つけられたら、実際にその道を歩んでみましょう。時間は有限なので迷うことはそこそこに、まずは「歩くこと」それが大事だと実感しています。
歩いていると「適性」が分かってきます。
こんな事を言うと上の世代の方からお叱りを受けそうですが、「できる努力とできない努力がある」とわたしは思っています。言い換えるならば「我慢できることの種類が違う」といえるでしょうか?
わたしの場合、サラリーマンの適性がないと5年間の会社員勤めをして確信してしまいました。サラリーマン偏差値で言ったら37くらいだと思います。笑 組織での立ち回りや、あえて効率が悪い仕事をしなければならない状況にどうしても納得できませんでした。もちろん独立してからも、我慢を強いられる場面は多々あるのですが、この状況には耐えることができます。
やはりそれは適性だと思っています。
働くを考える本に掲載されました
自分自身の「価値観」を知り、それを基準に「道」を選択し、行動を通して自分がその道に「適性」があるか確かめる。それが出来れば意味のないストレスと戦う必要がなくなり、働くことも楽しくなるはずです。人生の「勝ち組」「負け組」とよく聞きますがそんな単純な世の中ではない気がします。
お金があって大きな家に住んでいても、家庭は壊れているかもしれません。
大規模なことをなし得ても、より良いことをなしえていないかもしれません。
優しさあふれる対応が、逆に相手にとって優しくないかもしれません。
日本人の幸福度は先進国で最下位だそうです。もしかしたら自分自身の価値観に合わないことをしているからかもしれませんね。
先日、「好きを商売にする」というメッセージが込められた「京都の小商い」という本が発売されました。
この本は、「どのような働き方が幸せで、納得できて、長く続けていけるのか?」という問いをもとに、京都で小商い(小さな元手で、自分の納得できる範囲で、小さな規模で続ける商い)的に働いている12名の方への取材を元にまとめられています。
この本に、Study Roomも紹介されています。
右肩上がりの経済成長を信奉することに限界が感じられる昨今、自分の価値観に向き合って、それを仕事にしようとする人たちが増えてきました。とくに京都は小商いやそうした価値観を受け入れる土壌があるため、ユニークな小商いに取り組む人たちが数多く存在します。
いまの生き方、働き方についてちょっと立ち止まって考え直したい方、あるいはこれから社会へ出る方にぜひ読んでいただきたい本です。
ぜひ、一度手にとって見てください。