中高生が知っておくべきSDGs|学習指導要領や入試問題との関係は?
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質問:SDGsってなんですか?また中学、高校に通う子どもたちにどう関係しているのか知りたいです。
中学生の息子を持つ母親です。最近SDGsという言葉をよく耳にします。聞いたことはありますが具体的にどのようなものなのでしょうか?また子どもの入試にも関係すると聞きましたが、どのような関係があるのですか?SDGsの概要と入試の関係について知りたいです。
回答:SDGsとは「誰一人取り残さない」というスローガンを掲げた2030年までの国際目標です。実はSDGsと関係して、日本でも学習指導要領や入試問題が変化しています。
SDGsとは2015年9月に国連サミットで採択された17の目標と169のターゲットからなる世界全体の目標のことです。「Sustainable Development Goals」の略称で、日本語では「持続可能な開発目標」と呼ばれています。
SDGsが採択されたことで日本の教育も変わっています。具体的には学習指導要領の改訂や入試問題の変更などです。
こちらの記事ではSDGsの概要と、中高生とSDGs の関係について紹介していきます。
SDGsとは
SDGs(エスディージーズ)とは「Sustainable Development Goals」の略称で、日本語では「持続可能な開発目標」と呼ばれています。2015年9月に開催された国連サミットで加盟国の全会一致で採択された世界的な目標を指します。
前身のミレニアム開発目標/MDGs(エムディージーズ)やリオ+20で話し合われた内容などを統括し、地球温暖化から日々の働き方まで、環境・社会・経済を中心に17の目標と169のターゲットで構成されています。「誰一人取り残さない(leave no one behind)」をスローガンに掲げ、発展途上国から先進国まで全世界が共通で取り組むべき課題を解決するための具体的な国際目標となっています。
SDGsが設定された背景
SDGsが設定された背景には、世界規模で解決しなければならない問題が顕在化してきたことにあります。大規模な気候変動や格差の拡大、貧困問題、コロナウイルスの世界的な流行。
このように1つの国だけでなくすべての国や地域での取り組みが求められる課題を解決するために設定された目標がSDGsです。100年後も地球に住み続けられるように、全世界が一丸となって協力するための指標としてSDGsが設定されました。
SDGsの目標17個を一挙に紹介
SDGsには17個の目標があり、それぞれに詳細なターゲットが設定されています。
目標1〜6は貧困や飢餓、教育など未だに解決されない社会面の開発アジェンダとなっています。主に発展途上国を中心とした目標ですが、目標5のジェンダー平等など日本にも課題として残るものがあります。
目標7〜12はエネルギーや資源の有効活用、働き方の改善、不平等の解消など全ての国が持続可能な形で経済成長を目指す経済アジェンダです。先進国を中心とした全世界の目標となっており、また各国の企業の協力が欠かせません。
そして目標13〜17は地球環境や気候変動など地球規模で取り組むべき環境アジェンダで、これは全世界共通の目標です。世界平和やパートナーシップなども呼びかけています。
SDGsが教育に与える2つの変化
SDGsは中高生が特に注目するべきキーワードです。目標4では教育に関する目標が掲げられていますが、SDGsが中高生に身近なものである理由はそれだけではありません。
ここからは、SDGsが教育に与える2つの大きな変化、学習指導要領の改訂と入試問題への影響について説明します。
新しくなった学習指導要領
2020年度から2022年度にかけて小中学校及び高等学校の新しい学習指導要領が実施されています。
学習指導要領は世界や日本の社会情勢を踏まえ、文部科学省により10年に1回程度見直されています。今回の変更では前文に「これからの学校には(中略)一人一人の児童(生徒)が、自分のよさや可能性を認識するとともに、あらゆる他者を価値のある存在として尊重し、多様な人々と協働しながら様々な社会的変化を乗り越え、豊かな人生を切り拓き、持続可能な社会の創り手となることができるようにすることが求められる。」と明記されています。
「持続可能な社会の創り手」という文からわかるようにこれからの10代にはSDGsへの理解を深め、将来彼ら自身が持続可能な社会の創り手となることが求められているのです。学習指導要領の変化は前文だけではありません。小学校の家庭科や道徳、中学校の社会科や理科、技術・家庭科など様々な教科で「持続可能」やSDGsに関連する内容が盛り込まれています。
今回の改訂のポイントである「ESD」とは?
今回の学習指導要領の変更にあたり文部科学省が基本としているのが「持続可能な開発のための教育(ESD)」です。
SDGsの17個の目標のうち、目標4「質の高い教育をみんなに」に設定されているターゲット4.7では「2030年までに、持続可能な開発のための教育及び持続可能なライフスタイル、人権、男女の平等、平和及び非暴力的文化の推進、グローバル・シチズンシップ、文化多様性と文化の持続可能な開発への貢献の理解の教育を通して、全ての学習者が、持続可能な開発を促進するために必要な知識及び技能を習得できるようにする。」となっています。
持続可能な開発のための教育(ESD)を達成するため、日本の教育改革としてまずは学習指導要領の改訂がなされました。
SDGsに関する入試問題の出題
総合型選抜入試や各大学の二次試験でSDGsに関連する問題が多く出題されています。
また令和三年度には従来のセンター試験に代わり大学入学共通テストが行われました。
記述式や英語民間試験の導入は見送られたとはいえ思考力を問う問題が多く出題され、その中にはSDGsと関わりのある問題も見られました。一見受験や5教科の勉強と関係の内容に思えるSDGsですが、実は大学入試を受ける際に必要な知識となっているのです。
令和7年度以降共通テストサンプル問題
実際に共通テストで出題された問題
SDGsについて学べるオンラインプログラムiina
このような教育の変化によって中高生がSDGsについて知る機会が増えています。
ここからは、SDGsに興味をもった生徒がさらなる学びを実現できるオンラインプログラムについて紹介します。
例えばSDGsについて解説してあるネット記事や書籍を活用しSDGsに関する情報を得ることはできます。
Study Roomが提供するSDGs教材「iina」はその一歩先、SDGsをさらに詳しく、また人との対話を通して学びたい方へ向けたオンラインプログラムです。学んだ知識をそのままにせず、その先の進路選択にまで活かす「iina」について紹介します。
SDGsについて学べるオンラインプログラム「iina」(いいな)とは?
iina(いいな)とはStudy Roomが提供しているSDGsについて学べる中高生向けのオンラインプログラムです。オンライン授業ですが、すべての授業はリアルタイムで行われ、さらにマンツーマンの指導を受けることができます。
SDGs初心者からさらに学びたいという上級者までSDGsに対する学びを深められるプログラムになっています。iinaを中高生にオススメできる理由は3つあります。
1対1の双方向型授業で新たな気づきを得られる
授業は毎回マンツーマンかつリアルタイムで行われます。生徒と講師の1対1なので人目を気にせず思ったことや疑問点などをすぐに話し解消することができます。教材を通してSDGsで扱われる課題を知り、さらにその背景には何があるのか、どうしたら解決できるのか、などの深い学びを講師との対話で実現することができます。
70分間の双方向型授業でSDGsの今とこれから、そして今までの経験から得た生徒自身の考えと、これから先の生徒の進路や生き方に気づき、表現することが目標です。
関心に合わせて選べる授業
iinaでは受講者全員にSDGsについての基礎知識を学べるイントロダクションと、6つのジャンルの中から受講者の興味関心に沿って選んだ3つの授業を加えた合計4授業を提供します。
6つのジャンルは「環境」、「ビジネス」、「国際平和」、「教育・福祉」、「生活」、「ベーシック」に分かれており、自分の興味があるジャンルを自由に選ぶことができます。
例えば経済や経営に興味がある人は「ビジネス」を、健康や教育に関心がある人は「教育・福祉」を、自分が何に関心があるかわからない人は「ベーシック」を選べます。さらに一部の授業はジャンルを越えてカスタマイズすることもできます。
進路選択に学びを活かせる
学校の授業とは違った新しい分野の知識を得ることは生徒の興味関心をさまざまな方向へ広げることになります。広がった興味関心をそのままにせず、講師との対話を通し自分の言葉で表現することで進路考えるための自分らしい軸を作ることができます。
また、SDGsについて学ぶことで世界共通の課題とそれに対する国や企業の動きがわかります。それらの課題や社会の動きに対し講師の助けを借りながら自分なりに探求することで、社会情勢と自分の興味関心を結びつけて考えることができるようになります。iinaで得られる学びのつながりは高校受験や大学受験、ひいては就職活動の際、自分が何を軸に進路を決めるのか、その指針になるはずです。
終わりに
今回の記事ではSDGsについての基本情報と、SDGsと中高生の関係やSDGsについて学べるオンラインプログラム「iina」について紹介しました。
SDGsは国際目標で、身近には感じられにくいかもしれません。しかし、SDGsの17の目標から、自分の興味関心を探ったり、入試に向けて知識を補ったりすることは、きっと進路の選択肢を広げることにつながります。
SDGsについてもっと知りたくなった、iinaに興味が湧いたという方はぜひ下記のボタンからiinaについての詳細情報をご覧ください。