【イベントレポート】京都で開催!保育士起業家の出版記念イベント
目次
新学期が始まり、バタバタとしたGWも終わり、中学・高校は定期テストや学校によっては体育祭・修学旅行などの行事ごとのシーズンがやってきました。今回のブログでは、普段のご相談に答えるカタチではなく、先日参加してきた京都でのイベントレポートをお伝えします。
Study Roomのブログをご覧になっている中高生やその親御さま、塾講師に興味がある大学生に、きっと役立つ内容ですのでぜひ最後までご覧ください。
保育士起業家 出版記念トークセッション & 本1冊30分で読めるワークショップ体験会レポート
今回参加してきたのは、4月30日に開催された「保育士起業家 出版記念トークセッション & 本1冊30分で読めるワークショップ体験会」です。京都を拠点にしている2つのNPO(場とつながりラボ home’s viとEN Lab. )が主催者として開催されました。
イベント内容は、タイトル通りで「本1冊30分で読めるワークショップ」を行ったあと、ワークショップで扱った本の著者お2人のトークセッションと質疑応答があり盛りだくさんでした。それでは、早速イベント内容についてレポートしていきます。
本1冊30分で読めるワークショップ『ABD』とは?
私は普段よく本を読みます。仕事で必要な本、楽しむために読む本、どちらも好きで読んでいます。しかし、本を読むのは苦手、すぐ眠くなるからダメだ、という声もよく聞きます。このように普段読書をしないけど、読んでみたいなという方にとって、今回体験したABD(アクティブ・ブック・ダイアログ)という読書ワークショップはピッタリ!
まずはABDの方法について簡単に紹介します。
1. 使用する本を人数に合わせて切り分ける
2. 担当するページを読んで、白紙の紙に印象に残った点を書く
3. それぞれがまとめた紙を壁に貼る。順番は本の章に合わせる
4. 本の若いページの担当者から順に数分で印象に残った点をプレゼンする
5. プレゼン後、気になった内容について話し合う
対象本:いい親よりも大切なこと 〜子どものために”しなくていいこと”こんなにあった!〜
今回のABDでの対象本は、イベントのゲストである、こどもみらい探求社の小竹めぐみさん、小笠原舞さんの著書「いい親よりも大切なこと 〜子どものために”しなくていいこと”こんなにあった!〜」です。
この本は約170ページなので、約20名の参加者で割ると1人約8ページを担当します。「普段は本を読まない」という人も、8ページくらいならあまり負担なく本が読めるのではないでしょうか? また、今回の本は見出しがわかりやすくはっきりと書かれていたので、とても読みやすい印象でした。このような本の構成は、忙しい子育てママのために書かれた本だからなのかもしれませんね。
本が読みたくなるABD体験!
ファシリテーターから対象本の簡単な紹介があり、その後ページの割り振りが終わると、参加者それぞれが本を読んでプレゼン内容を考える時間へと移ります。この時間では、それまで自己紹介や本のどこを担当したいかなどで、参加者同士が和気あいあいと話していたのと一転、とても静かにそれぞれの担当ページに向き合います。
ちなみに、私が担当したのは「3章関係性がよくなる!コミュニケーション4つの「しない」コツ内の4 子どもの言動をそのまま受け止めない」です。子どもが母親に絵本を読んで欲しがるエピソードから、子どもが親へ本当に求めるものはなんなのか? ということが紹介されています。
本を読んでプレゼン内容が書き終われば、それぞれの紙を壁に貼っていきます。色とりどりのペンで書かれた内容が壁に並んでいくさまはワクワクします。人によってまとめ方が違い、イラストを入れる人もいれば、端的にまとめる人もいて、どのように書きまとめれば伝わりやすくなるのか参考になりました。
壁に紙を貼り出し終われば、一人ずつプレゼンが始まります。ABDの特徴は、担当ページを読んだだけではわからなかった本全体のテーマや内容が、他のページのプレゼンを聞いて徐々に明らかになっていく点です。そのため、和やかな雰囲気のなかにも「他のページにはどんなことが書いてあったんだろう?」と、少し前のめりになってプレゼンを聞く姿勢の人ばかりだったように思います。
発表は、短い持ち時間のなかで内容を伝えることが思った以上に難しく、著者の前ということもあり人前で話すのとはまた違った緊張感がありました。
また、短時間にたくさんの人の発表を聞くため、声のトーンやスピード・身振り手振り・話の構成など、いろいろと参考になることが多かったです。プレゼンを通して、自分の担当ページを読むだけではわからないことが聞けて、ABD体験ではAmazonなどに載っている本の紹介文やレビューだけではわからない本のエッセンスを知れました。
保育士起業家のトークセッションと質問タイム
ABDが終わった後は、「いい親よりも大切なこと 〜子どものために”しなくていいこと”こんなにあった!〜」の著者である、こどもみらい探求社の小笠原舞さん、小竹めぐみさんによる、子ども×◯◯で、様々な分野とコラボレーションをしている活動紹介や本を作る上での裏話などを伺いました。
特に印象に残ったことは、いわゆる「子育て本」のカテゴリに入れやすいタイトルと内容の本ですが、小さな子どもの両親だけでなく人と人がどのように関係していくのか? ということを意識されている点です。このお話からこどもみらい探求社がBBT大学(ビジネルブレークスルー)というWeb上の大学で、「組織多様性とワークライフバランス」という講義を担当されているのもうなずけます。
本を買って一気に読んでみた!
今回のイベントで本の一部を読み、他の部分の発表を聞き、著者のお二人の話を聞いてその人柄が少しわかったことで、「1冊通して読みたい!」という気持ちがムクムクとふくらんできたので、1冊通して読んでみました。語り口調で書かれている上に、著者の声を聞いたので、優しく温かく語りかけられているような気持ちになりました。
読んでみると、普段Study Roomで向き合っている中高生に対しても、試してみたいなと思える部分がいくつかありました。そのなかでも特に印象に残った2点をご紹介します。
対話では自分の話もすること
Study Roomは先生1人に生徒1人が付くマンツーマンの授業を行っています。この授業では、生徒の理解度に合わせて、とことん解き方やつまずいている点について教えられます。また、マンツーマンだからこそできる、「生徒の集中が切れたタイミングで対話をすることで気分転換をする」ことをやっていこうと、講師へ伝えています。
しかし、すべての生徒がいつでも自分の話をしてくれるわけではありません。講師との信頼関係がまだ築けていない、疲れていて話をしたい気分じゃないなどが理由です。講師によっては、「勉強を教えるのは得意だけど、合間の対話で生徒の気分転換やモチベーションを上げるために何を話せば良いのかわからないことがあります……。」と課題を口にすることもあります。
そんな講師に対しては、本書P113に書かれていた「子どもに自分から話をしてほしい、というのであれば、まずは親である自分が日々起こった、何気ないことを話してみてください。」という部分を伝えてみようと思います。
講師から何気ない話をすることで、生徒が「なんでもないことを話しても良いんや」と気がついてくれるはずです。また、講師が何気ない大学生活の話をすることは、講師にとっては当たり前の日常でも、大学生が身近でない生徒にとっては、新鮮な話題になるでしょう。
できること・できないこと・できていくこと
ほとんど全ての生徒に共通して言えることは、「できないこと・苦手な教科の勉強をやりたくない。」という気持ちを少なからず持っていることです。これは大人も一緒ですよね。
やる前からうまくいかないと思っていることにトライするには、勇気や覚悟がいります。しかし、学校のなかでは得意な教科だけをするわけにもいかず、テストの点数や通知表の数字によって優劣がはっきりと付けられてしまいます。これって結構なストレスですよね。
本書を読んでいて特にハッとしたのが、P168に書かれていた「子育てに熱心であればあるほど、親は子どもの無限の可能性を信じてしまいますが、なんでもかんでも無限に伸びていくわけではありません。『できること・できないこと・できていくこと』がそれぞれある。そう、あなた自身がそうであったように。」の部分です。
テストの結果が悪かったとしても、それはもう終わったことで過去は変えることができません。そうであれば、テストの後に「できたこと・できなかったこと・これからできていくこと」を整理すれば、できなかった失望や後悔を成長のバネにできるのではないでしょうか? まずは、自身の現状と向き合って受け入れること、そして先に進む計画と作戦を立てること、そのサポートをこれからもしていこうと思います。
まとめ:今回のレポートが気になった方は
いかがでしたでしょうか? 中高生と日々向き合う個別指導塾の立場からしても、今回のイベントと本からは日常の関わりに活かせる点がたくさんありました。今回ご紹介した「いい親よりも大切なこと 〜子どものために”しなくていいこと”こんなにあった!〜」は、Study Roomの講師や生徒の親御さまにオススメしたい本です。
今回のレポートに登場した情報が気になる方は、以下へアクセスしてみてください。
きっとあなたの欲しい情報が得られるはずです。
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- 未来型読書法アクティブ・ブック・ダイアログ(ABD)公式サイト
- こどもみらい探求社についてはこちらから。
- NPO法人 場とつながりラボ home’s viについてはこちらから。
- NPO法人 EN Lab. についてはこちらから。