コーヒー嫌いの浪人生が、カフェ勉強をはじめて志望校に合格できた話
目次
質問:カフェで勉強をはじめたきっかけは?
回答:きっかけはたまたま見つけたカフェでした。
受験生にとって勉強する場所の選択肢が増えることは重要です。
カフェとは縁のなかった浪人生
京都のカフェでは、高校生が勉強する姿をよく見かけます。1人で勉強している学生も、複数人で教え合っている姿も目にしますが、私が高校生だった2000年代前半には、そのような光景はあまり見られなかったのではないでしょうか? まぁ私が育った田舎の環境にはカフェがなかっただけで、都会ではその頃からカフェで勉強する高校生がいたのかもしれませんが(笑)
高校時代に勉強した場所といえば、もっぱら学校の自習室や駅前の図書館、自宅でした。静かな場所で勉強して、集中が切れてくるとお気に入りの音楽を聞きながら集中力を高めたものです。しかし、受験に失敗。私は浪人生として、仙台市の予備校へ通い始めました。
予備校の教室で授業を受け、予備校の食堂で昼食をとり、自習室で勉強する日々。先の見えない浪人生活にストレスがたまってきて、予備校の無機質な自習室では音楽を聞いても仮眠をとっても、勉強に集中できなくなってきました。
なにげなく入ったカフェで人生が変わる
ある日の昼食後、自習をするはずの時間でしたが、なんとなく自習室へ行って勉強する気になれず、仙台駅周辺をぶらぶらしていました。そこで目に入ったのが、その後10年間通い続けることになったカフェです。それまで、そのカフェが目に入ってはいましたが、コーヒーが好きというわけではなく、オシャレさに敷居の高さを感じていたので入ったことはありませんでした。
しかし、この時はなぜか吸い込まれるように店内に入っていったことを覚えています。店内に入り緊張しながらも注文を済ませました。頼んだのは昼食後の眠気を少しでも抑えるための濃いブラックコーヒー。このカフェは1階と2階にフロアがあり、私はなんとなく2階へ。
2階には窓際に面した1人席があり、迷わずその席につきました。19歳の私にとって、ブラックコーヒーは美味しいものではありませんでした。しかし、ゆったりとした空間で窓の外を眺めながら勉強できる席で、自然と集中して勉強ができたことを今でも鮮明に覚えています。
ちなみにこの席での経験が、Study Roomの空間でこだわった「窓がある教室」の原点になっています。
カフェの居心地の良さに救われた浪人生
たまたま入ったカフェで自習に集中できたことがきっかけで、カフェでの勉強は私のルーティーンになっていきました。予備校の授業を受けて自習室で勉強し、集中が切れるとカフェへ直行する日々。コーヒーの芳ばしい香りとこれまで聞いたことがなかったジャズのBGM、そして店員さんの笑顔や自身のやるべきことに取り組む社会人や大学生の姿。それらすべてが、私にとって集中しやすい条件だったのです。
とはいえ、浪人生として毎日カフェに行けるほどお金の余裕はないため、時には昼食代を削ってまでカフェ代にお金を費やしていました(笑)
当時は、今ほどカフェで勉強や仕事をする人はいなかったので、長時間お世話になっていました。振り返るとお店の人からすると、迷惑な客だっただろうなと思います…。しかし、毎日のように予備校生が利用していたからか、次第に店員さんとも顔見知りになり少し会話するようにもなりました。笑顔で「がんばってくださいね」と励まされたり、こんなラテアートのサービスをしてもらえたりして、日に日にこのカフェの居心地の良さが増していったのです。
自宅・予備校・食堂を行ったり来たりするだけの浪人生活が、カフェで勉強するようになってから少し気持ちの余裕を持てるようになってきました。浪人生は一度受験に失敗しているため、どうしても悲観的になりやすいものです。あたたかく接してくれる家族の存在も、時にプレッシャーに感じてしまうこともありました。
しかし、カフェの空間からもらえる刺激や店員さんとの程よい距離感を保ったコミュニケーションのおかげで、プレッシャーから開放されリラックスしながら勉強できる時間を持つことができました。
そんなとっておきの勉強空間のおかげもあってか、いくつかの有名私立大学に合格して、1年間の浪人生活は幕を閉じました。カフェに通い続けて仲良くなった店員さんに、合格したことを報告すると自分のことのように喜んでもらえて、合格祝いとして面識の合った店員さんたちとご飯に行ったのは浪人生活を締めくくる良い思い出です。
あなたのとっておきの勉強空間を見つけよう
この記事を読んでいる方は、カフェで勉強や仕事をしたことがある、またはしている人を見たことがあるのではないでしょうか。最近では、「勉強禁止!」と書かれた張り紙や看板のあるカフェも増えてきたように感じます。それだけ、カフェ勉強のニーズが高まってきているのでしょう。
Study Roomを京都で開校した理由のひとつが、京都のカフェ充実度が高いことです。京都市内には、食べログに掲載されているカフェ・喫茶店だけで2,859店舗もあります。Study Roomの開校に向けて、関西圏のいくつかの場所を調査しましたが、いちばんカフェで勉強する中高生が1番多かったのが京都市内でした。
もちろん、カフェで勉強することは、集中できる度合いやお店へのマナーなどの点で賛否両論があります。店内の雑音や周囲からの視線が気になる人は、仕切りのある自習室や自宅など静かで刺激のない場所を選んだほうがいいです。どんなことにも適性はあるので、あなた自身がもっとも力を発揮できる居心地の良い空間で学習を習慣化することをおすすめします。
私自身はそれまでカフェでの勉強はおろか、コーヒーがあまり好きではなかったので、カフェに行く習慣すらありませんでしたが、今ではカフェで過ごす時間は私の生活に欠かせません。カフェで勉強する場合は1時間や2時間と集中して勉強する時間を決めて、長時間居座ってお店の迷惑にならないように注意するといいでしょう。そのためにも、いくつか勉強に集中しやすい居心地の良いカフェの選択肢も持っておくのもいいかもしれません。
勉強はある決まった場所だけでしかできないものではありません。どうしても自習室や自宅では勉強に集中できないなら、自分のとっておきの勉強空間を探しに出てみてはいかがでしょうか? 京都ならきっとあなたにぴったりな空間が見つかるはずです。なんといっても京都市内には2,859店舗以上のカフェがあるのですから。